公務員科 伊藤先生が書きました 三文日記

12月某日

山極教頭先生がPCの奥底から発掘してくださった16年前の写真に、じわる懐かしさと過ぎた年月の長さを思う。私が手にしているのは過分なお餞別で、それくらい盛大に送り出していただいて名残惜しくもきっぱりと辞めたはずだったのに、厚かましくも私は何食わぬ顔で出戻ってきている。一度手離してこそわかる、このご時世に守られながら仕事をいただける有難さに、改めて感謝する。

 

1月1日

久しぶりにゆっくりとキッチンに立ち、おせちの真似事をしてみた。
出来合いのものに大いに助けてもらったことは、それでも黒豆は自分で煮たのでお許しを(笑)
平和で穏やかなお正月の朝 まさかこの数時間後に初詣で凶を引き当ててしまうなんて…

 

1月某日

上の発掘写真で私のお腹の中にいた愚息は、16年前の今日、外へ向かって進み始めたものの途中で動きを止めてしまい、最後は薬によってまるで母体から締め出されるようにこの世に生まれてきた。結局やっぱり毎日何かがおかしくて生後2か月足らずで手術となったが、後々愚息に、あの時生まれてくるの嫌だったの?と聞いてみたら、だってとにかく眠かったんだもん、と、出来事すべてをあっさり笑い話に変えてしまった。そんなあなたがいてくれてほんとよかったわ~ 母より。