公務員科 伊藤先生が書きました 三文日記

12月某日
修理に出して一か月余り 愛用の財布が帰ってきた。
この年齢に至ると、これ以上欲しいものなど何もない。
お気に入りだけ丁寧に持ち続ける、そんな暮らしに憧れる。

12月某日
イメージの伸びしろが大きいから長編より短編が好き。
村上春樹さんの、上下巻と続くあの森の話よりも、そのモチーフとなった短編の方が私には余韻深く感じられる。
でもこの作品は映像化され、あとから慌てて読んでもすでに主人公は私の中で、あのインテリハンサムな俳優さんでしかなくなってしまった。

12月某日
誰にでも年に一度、節目の日。
結婚相手次第で人生は変わるという。
ならば私は、このひとの人生をどう変えてしまったのだろうかとふと思う。