建築学科 甘利先生が書きました。日本の名勝
私の記憶に残る名勝をご紹介します。
今回ご紹介するのは、「猿橋」です。
山梨県にあるこの橋
名前からユニークですね。
でも、この橋のすごいのは立地条件!
見てください。この断崖絶壁!!
こんな作るのに大変そうな条件の中、かけられた橋なのです。
さらに、この橋の素晴らしいのは造り方です。
まずは、堅い岩盤に穴をあけ、そこに支えとなる太い木を差し込みます。
この構法を上に重ねて行ない、徐々に中央へと進んでいくのです。
これを谷の両側で行い、最後に上に板を敷いて橋にしていきます。
「刎ね橋(はねはし)」という構造です。
下には深い谷が広がり、足元も安定しない上、太くて重い木を差していく…
昔、機械も発展していなかった時代に、こんな神業がどうしてできたのか、不思議で仕方ありません。
人は思い描いた光景を実現するために、知恵と勇気を振り絞り、工夫をしていくことに脱帽です。
私も見習いたいものです。