公務員科西澤先生が書きました 誇るべき日本の文化
教育関連の仕事に就いてからずっと私には夢がありました。
卒業し成長した教え子たちとお酒を酌み交わすこと…。
ここ最近、念願叶って前の職場の教え子たちと食事をする機会があったのですが、その内の一人が
「日本酒なんか絶対飲まない!!」と宣言。
このブログに相応しいか相応しくないかは置いておいて、私は日本酒は日本人が誇るべき文化の一つだと信じています。更に長野県のお酒は非常にレベルが高い。信じられないくらいに。
日本酒という自国の文化、郷土の文化に誇りを持ってもらうために(?)、このブログをご覧になった大人や若者に日本酒を見直して頂けるように(??)、日本酒についてたっぷりと述べていこうと思います。
まずこれから述べる日本酒は「日本酒に強い酒屋さん、もしくは居酒屋さん」に置かれているものを前提としています。スーパーやチェーンの居酒屋で扱われているものはまた別の話になります。
さぁまずはラベルを読み解いていきましょう。知らない人にとっては呪文のように見える、あの言葉たち。純米酒とは?大吟醸とは?
~酒米の削り具合(精米歩合)による分類~
精米歩合(酒米の削り具合)目安 | |||
70~60% | 60~50% | 50%以下 | |
アルコール添加無 | 純米酒 | 純米吟醸 | 純米大吟醸 |
アルコール添加有 | 本醸造 | 吟醸酒 | 大吟醸 |
70~60%というのは「酒米の30~40%を削ってます」という意味です。したがって上表の右にいけばいくほど同じ米の量に対して使う部分が少なくなる、つまり同じ量の酒を造るのに必要な米の量が増えるので高価になります。
アルコールの添加は華やかな香りと味わいをもたらすためにされるのですが、最近では技術の発達や身体への影響の考慮により、アル添無しの純米系が主流です。
そして純米酒や本醸造が駄目かというと全くそんな事はありません。純米大吟醸や大吟醸は確かに美味しい。極めて上品で恍惚とさせる味わいですが、あまり個性が出ません。逆に純米酒や本醸造酒は濃厚で素朴な味わいになる事が多いです。以上のことより、最初は高価なお酒で日本酒の本当の実力を知り、その後純米酒や本醸造で個性を追究するというのが良いと思います。
~出来立てのお酒に対する処置による分類~
通常、何も表記がなければその日本酒は「濾過」され「加熱処理(火入れ)」され「加水」されています。これらの内いずれかがなされていない場合には、それに適した表記がされています。
〇「無濾過」=文字通り濾過されていないお酒です。「澱(おり)」が残って口当たりがややまったりします。澱が見えない場合もあります。
〇「生酒」=火入れされていないお酒です。お刺身(生酒)と煮魚(火入れ酒)の関係を思い浮かべてもらえれば分かり易いでしょうか。味わいが非常にフレッシュです。ただ、生酒は非常にもろいので購入後はすぐに冷蔵庫へ。火入れをしてあると落ち着いた味わいで多少丈夫になります。
〇「原酒」=加水していないお酒です。出来立てのお酒はアルコール度数が高いので、水や他のお酒を加えて度数の調整をするのですが、それをしていないという事で、ガツンときます。
〇「無濾過生原酒」=濾過も火入れも加水もしていないお酒です。「日本酒が苦手」という人にこそ、まずこのタイプを召し上がってもらいたい。濃くて甘くて旨いです。
~造り方による分類~
何も表記がなければその日本酒は「速醸酛造り」という現代的な造り方をされています。それに対して、中には「山廃」とか「生酛」といった表記があるものも。これらは昔ながらの造り方ということで、味わいもそれなりに昔風になります。濃いですが甘さは控え目という傾向。無濾過生原酒が女性的ならこちらは男性的、というイメージで良いと思います。
長文になってきました。ここからは購入後の話です。
~楽しみ方~
日本酒の特徴はなんといっても「幅広い温度帯で楽しめる」ということ。世界中見渡してもそんなお酒は中々ありません。ということで、
〇生酒、無濾過生原酒→冷蔵庫で冷やしましょう。
〇普通のお酒(生ではないお酒)→冷やすも良し、常温でも良し、お燗も良し。
〇山廃、生酛→常温、もしくはお燗
というのが一応の定番です。そして一口にお燗といっても「人肌燗」「上燗」「飛び切り燗」等、5℃刻みで名前がついていたりして…。
決まりはないので、色々やってみるのが良いでしょう。
~保存の仕方~
日本酒の最大の敵、それは「紫外線」ですので、暗い所での保管は絶対です。新聞紙を巻くのもありです。案外温度には強かったりしますが、生酒だけは冷蔵庫に入れましょう。特に東日本の生酒は。
また、日本酒は酸化により味わいが変化します。大抵は劣化。液面が酸素に触れる面積はなるべく小さい方が良いので寝かせてはいけません。立てます。生酒は3日、そうでなくとも一週間位で飲みきるのが良いと思います。ただ、実は旨さのピークは開けたてではなく開栓後1~2日辺りでやってきますし、中には開栓後2年経って飲み頃、なんてものもあります。酸化に強いものを探し出して年単位で熟成させる、なんて男性ならこの魅力分かっていただけるのではないでしょうか。
これもやっぱり、結局は自由に楽しむのが一番です。
~おすすめ銘柄~
最後に私の好きな長野の銘柄を紹介して終わります。
〇「幻舞」 長野市のお酒です。女性が造るお酒で、濃厚甘口。正直、単体で飲んでこれより美味しいお酒はちょっと考えられません。ただ、濃い分ちょっと飲み疲れはします。
〇「信州亀齢」 上田市のお酒です。こちらも女性が造るお酒で、今全国的に評価がうなぎ上りです。幻舞よりは濃くないので食事にも合わせ易いかなと思います。
〇「大信州」 松本市のお酒です。上二つに比べると大分さっぱりしていますが辛口というわけではなく、何やら風格を感じます。おめでたい席にはぴったりだと思います。
〇「水尾」 飯山市のお酒です。長野では珍しくすっきり、鮮魚にも無理なく合います。この度の台風で大変な被害があったようで、これからも応援していきたいです。
〇「信乃大地」 長野市戸隠のお酒です。主な銘柄は「松尾」なのですが、こちらはヨーグルトのお酒です。日本酒…ではないかもしれませんが、とにかく美味しい。アルコールが入っている以外は完全に「飲むヨーグルト」なので、間違って朝に飲んでしまいそうになります。
この誇るべき日本文化をこれからも大切にしていきます。
そうするとどうなると思いますか?
お腹が出てくるんですよ!!修学旅行でグアムに行くのですが、絶対水着にはなれませんね!!